療養計画書の書き方って知ってますか?専門家がわかりやすく解説

2024年4月の診療報酬改定により、生活習慣病(高血圧症・糖尿病・脂質異常症)を主病とする場合は、療養計画書の作成が要件である生活習慣病管理料を算定するように変更されました。
したがって、今回は療養計画書の書き方に焦点を当てて説明していきます。
初回診療時の療養計画書の運用方法
初回診療時の療養計画書の作成についてまず紹介します。 全体の流れとしては、まず氏名・生年月日等の基本情報と主病名等の治療情報を記入します。その後、今後の目標を患者とすり合わせながら、より具体的な指導内容を決定し記載します。そして、薬物療法法の内容等の注意点を記載して療養計画書の記載は完了です。 最後に、完成した療養計画書の内容を患者様に説明し、患者様からサインをもらいます。
療養計画書の作成手順
- 基本情報の記入:氏名、生年月日、性別、身長、体重、生活習慣(食事、運動、喫煙、飲酒)の状況を記入
- 健康医療データの記入:主病名、検査値(血糖値、HbA1c、血圧など)を記入
- 療養上の目標を設定:目標体重、目標血糖値、目標血圧などを患者と相談して決定し、そこから食事療法、運動療法、禁煙、節酒などの具体的な目標を設定
- 療養上の留意点の記載:薬物療法の内容(薬剤名、用量など)を記入し、必要に応じて合併症や副作用への注意点を記載
- 患者様の署名:患者の理解度を確認しながら、分かりやすい言葉で療養計画の内容を説明し承諾を得る
2回目以降の療養計画書の運用方法
2回目以降の療養計画書の書き方については、初回とは異なる点に注意しながら進める必要があります。 以下に具体的な手順とポイントを示します。
療養計画書の更新手順
- 前回の計画書の振り返り:目標が達成できた場合はその成果を認め、達成できなかった場合は原因を分析し、患者にフィードバック
- 患者の現状確認:最新の検査データと症状の確認し記入
- 目標の再設定:前回の目標とその結果をもとに、現実的で具体的な新しい目標を設定
- 療養上の留意点の更新:薬物療法、食事療法、運動療法などの治療内容を見直し、必要に応じて更新
- 患者への説明と同意:新しい療養計画書の内容を患者に再度説明し、納得してもらった上で同意を得る
2回目以降の療養計画書は、前回の計画を基に患者の現状を反映し、現実的で具体的な目標を設定することが重要であるといえます。
療養計画書作成時に抑えておきたいポイント
次に、療養計画書を作成するにあたり、最低限知っておきたいポイントを紹介します。
作成時のポイント
- 患者中心の視点:患者の生活背景や価値観を尊重し、患者目線で計画を立てることで、患者自身が目標設定に関与できるようにする
- 具体性と現実性:目標は具体的で測定可能なものとし、患者の生活環境や能力に合わせて現実的な目標を設定する
- 多職種連携:医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリ従事者など多職種で関与することで包括的な支援を行う
- 定期的な見直し:療養計画は一過性のものではなく、患者の状況変化に合わせて定期的に見直しを行う
また、以下の注意点に留意しながら作成することも重要です。
作成時の注意点
- 難解な言葉は避けましょう
- 過剰な負担にならないよう配慮
- プライバシーの保護
療養計画書を適切に作成することは患者自身の生活改善につながります。そのためには、患者中心の視点と多職種連携を意識して、より具体的で現実的な計画を立案することが必要になります。必要に応じて、以下の資料を参考にしてみてください。
引用元:
日本糖尿病療養指導士認定機構 療養指導の手引き
厚生労働省 療養計画書の活用に関する手引き
日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイド
日本医師会 療養計画書作成の手引き
日本糖尿病協会 療養指導マニュアル
日本看護協会 療養計画立案の実践ガイドライン
日本医療マネジメント学会 療養計画評価の手引き
日本リハビリテーション協会 療養計画策定の手引き
日本糖尿病教育・看護学会 療養指導用語集
日本老年医学会 高齢者療養計画ガイドライン
日本理学療法士協会 療養計画立案の実践ガイド
日本医療情報学会 医療情報の取扱いに関するガイドライン
療養計画書をPDFで無料提供
2024年度診療報酬改定にて、療養計画書の記載が必要になりました。
そこで、厚生労働省から出されている療養計画書を元に、PDFに直接入力可能な様式を用意しました。無料でダウンロードいただけますので、この機会にぜひご利用ください。
ダウンロード方法は以下の通りです
- ダウンロードはこちらをクリックしてください
- ダウンロードページが表示されます
- 必要な情報を入力し、「ダウンロードする」をクリックしてください
- フォーム送信完了画面で、「ダウンロード」をクリック
結論
療養計画書は単なる書類発行ではなく、患者の理解促進と生活改善につなげるためのコミュニケーションツールです。ぜひ、上記ポイントと注意点を踏まえて療養計画書の適切な運用を再考してみてください。
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